業務用エアコンの減価償却とは?節税や経理処理で知っておきたい基礎知識
業務用エアコンを導入する際、「減価償却」や「耐用年数」といった言葉を耳にすることがあると思います。これらの用語は、会計処理や節税に深く関係しています。
正しい知識を持っておくことで、無駄な税金を払わずに済んだり、経理処理のミスを防いだりすることができます。
この記事では、業務用エアコンの減価償却の基本から、耐用年数、仕訳の具体例、節税のポイントまでをわかりやすく解説します。
Contents
業務用エアコンの減価償却とはどういう意味?基本をわかりやすく解説

この章では、減価償却の意味や業務用エアコンが対象となる理由、そして計算方法の基本について解説します。
減価償却とは購入費用を年ごとに分けて経費にすること
減価償却とは、設備や機械などの高額な資産を購入したとき、その費用を一度に経費として処理せず、数年にわたって少しずつ経費化していく会計処理のことです。
たとえば100万円のエアコンを購入しても、100万円をその年の経費にするのではなく、耐用年数に応じて数年間に分けて経費として処理します。
これにより、その資産を使う期間に応じて適切な経費配分が可能になり、会計上の利益の把握が正確になります。
税務署のルールでも、この方法が基本とされています。
業務用エアコンも固定資産として減価償却の対象になる
業務用エアコンは、会社の設備として設置するものなので「固定資産」として扱われ、減価償却の対象になります。
固定資産とは、1年以上にわたり使用される設備や建物、車両などを指します。
業務用エアコンも長期間使用されるものなので、経費処理の際には減価償却が必要です。
購入価格が高いため、一括で処理するのではなく、決められた年数に分けて経費にします。
一括で経費にできない理由は耐用年数がある
一括で費用処理できないのは「耐用年数」が法律で定められているためです。
耐用年数とは、税務上でその資産が使える年数を意味し、国税庁によって業種や資産の種類ごとに決められています。
エアコンの場合、通常6年というルールが適用されるため、6年間にわたって減価償却を行う必要があります。
このように、会計上のルールに基づいた処理が求められるのです。
減価償却には「定額法」と「定率法」の2つがある
減価償却には「定額法」と「定率法」という2種類の計算方法があります。
定額法は、毎年同じ金額を経費として計上する方法です。たとえば6年間なら、購入額を6で割った金額を毎年費用として処理します。
一方、定率法は初年度に多く、年を重ねるごとに減っていく方法で、早めに経費を多く計上できるのが特徴です。
どちらを使うかは業種や税制の選択により異なります。
業務用エアコンの減価償却で押さえておきたい耐用年数の考え方
減価償却の対象となる業務用エアコンには、法定で定められた耐用年数があり、それに従って処理する必要があります。
耐用年数は法定で定められている
耐用年数は、税法で資産ごとに定められている年数です。これは企業が自由に決めることはできません。
国税庁が公表している「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に基づいて処理する必要があります。
このルールに従って会計処理を行うことで、税務調査などでも問題が発生しにくくなります。
業務用エアコンもこのルールの対象であり、具体的な年数が決まっています。
業務用エアコンの耐用年数は通常6年とされている
業務用エアコンの耐用年数は「6年」が一般的です。
これは国税庁の耐用年数表に明記されており、「器具および備品」の中の「冷暖房設備」に分類されます。
この年数に基づいて減価償却を計算することになりますので、仕訳や節税対策の計画にも関わってきます。
6年よりも短くしたり長くしたりすることは、基本的にはできません。
中古で購入した場合は耐用年数が短くなることがある
中古で業務用エアコンを購入した場合は、耐用年数が新設のものより短く設定されることがあります。
これは「簡便法」という方法で計算され、多くの場合、法定耐用年数の20%に相当する年数か、見積もった年数で処理されます。
たとえば、6年の耐用年数なら1.2年(=6×20%)が最低耐用年数になります。
中古品を購入した場合は、このような特例があるため注意が必要です。
使用目的や設置場所によって異なるケースもある
業務用エアコンでも、使用する環境や設置場所によって減価償却の取り扱いが変わることもあります。
たとえば、工場の特殊な設備に組み込まれている場合などは、建物附属設備として別の扱いになることもあります。
また、リース契約やレンタルの場合は、資産計上の必要がないケースもあります。
具体的な扱いについては、税理士や会計士に確認するのが確実です。
業務用エアコンの減価償却に必要な仕訳の具体例を紹介

減価償却を行うためには、正しい仕訳処理が必要です。ここでは購入時と毎年の減価償却の記帳方法を解説します。
購入時には「工具器具備品」などの勘定科目を使う
業務用エアコンを購入したときは、「工具器具備品」や「機器装置」などの勘定科目で資産計上します。
例:エアコン購入100万円(現金で支払)
(借方)工具器具備品 1,000,000円/(貸方)現金 1,000,000円
このように資産として記帳した後、耐用年数に応じて毎年減価償却を行っていきます。
減価償却費の計上時は「減価償却費」と「減価償却累計額」で仕訳する
減価償却費を計上する際は、費用として「減価償却費」を使い、同時に資産の価値を減らす「減価償却累計額」も使います。
例:定額法で年間16万6千円を償却する場合
(借方)減価償却費 166,000円/(貸方)減価償却累計額 166,000円
この処理を毎年繰り返していきます。
帳簿上は資産の価値が年々減っていく形になります。
定額法の計算方法を具体例で示す
定額法の計算式は以下の通りです。
減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率
たとえば、100万円のエアコンで耐用年数6年、残存価額10万円(10%)の場合:
減価償却費 = (1,000,000円 − 100,000円)÷ 6年 = 150,000円/年
このように、6年間で毎年15万円ずつ経費として計上されます。
定率法の計算方法も知っておくと便利
定率法は、残存価額に関係なく、年ごとに帳簿価額に一定の率をかけて減価償却します。
計算式:減価償却費 = 帳簿価額 × 定率法の償却率(年ごとに変動)
たとえば、償却率が30%の場合、初年度は100万円 × 30%=30万円。
次年度は、70万円 × 30%=21万円と、年々減っていく形になります。
業務用エアコンの減価償却で活用できる節税ポイントとは?
業務用エアコンの減価償却は、税金対策としても有効です。特定の制度や条件を活用すれば、大きな節税効果が期待できます。
中小企業経営強化税制を活用すると即時償却が可能な場合がある
「中小企業経営強化税制」は、中小企業が設備投資を行う際に、一定の要件を満たせば初年度に全額を経費として処理できる制度(即時償却)です。
この制度を活用することで、通常6年かけて処理する費用を1年で全額計上でき、税金を大きく減らすことができます。
ただし、対象となる設備要件や事前申請などの手続きが必要です。
詳細は、中小企業庁や税理士に確認するようにしましょう。
30万円未満なら少額減価償却資産として一括経費にできる
1台あたりの購入価格が30万円未満であれば「少額減価償却資産」として一括で経費処理が可能です(青色申告をしている中小企業限定)。
これは、1台ごとの価格が安い場合に減価償却を行わず、購入年に全額を費用として計上できる制度です。
たとえば、20万円のエアコンを複数台購入した場合でも、1台ずつの価格が基準内であれば、一括で経費処理ができます。
この制度をうまく使えば、減価償却の手間も省けて節税にもなります。
グリーン投資減税で特別償却や税額控除が受けられる場合がある
環境に配慮した高効率な業務用エアコンを導入する場合、「グリーン投資減税」の対象となることがあります。
この制度では、対象機器の導入に対して「特別償却」または「税額控除」が適用され、通常よりも多く経費処理が可能です。
対象機器には、省エネ性能を有するモデルや、指定の機器であることが求められます。
環境と経済の両方に配慮した選択肢として、検討の価値がある制度です。
適切な耐用年数の設定が税務リスクの回避につながる
誤った耐用年数を設定して減価償却を行うと、税務署の調査で指摘されるリスクがあります。
たとえば、実際は6年であるべきところを5年で償却してしまうと、経費計上が過大と判断され、追徴課税の対象になる可能性があります。
そのため、法定の耐用年数を正しく把握し、確実に会計処理を行うことが重要です。
税理士や会計の専門家に相談しながら進めると安心です。
まとめ|業務用エアコンの減価償却の基本・耐用年数・仕訳・節税ポイント
この記事では、業務用エアコンの減価償却について、基礎から応用まで幅広く解説しました。以下に重要なポイントをまとめます。
減価償却の仕組みを理解することで正しい経費処理ができる
減価償却は、資産の購入費用を年ごとに分けて経費化する会計処理です。
業務用エアコンのような高額な設備には必須の知識です。
この仕組みを理解しておけば、経理ミスを防ぎ、信頼性のある帳簿が作れます。
また、税務調査でもトラブルを避けることができます。
耐用年数を確認することで節税やリスク回避につながる
法定耐用年数に基づいた処理を行うことで、無駄な税金や追徴課税を防げます。
新設と中古では耐用年数の扱いも変わるため、ケースに応じて適切に判断することが求められます。
節税にもつながるため、導入前に確認しておくことが大切です。
不明な場合は、税理士に相談するのが安全です。
仕訳方法を覚えて帳簿を正確に保つことが大切
購入時と毎年の減価償却費の仕訳を正しく記録することで、帳簿が正確になります。
仕訳は会計の基本であり、将来の財務分析や銀行からの融資にも影響します。
帳簿が正確であれば、経営判断もスムーズになります。
クラウド会計ソフトを活用するのもおすすめです。
制度を活用すれば節税のチャンスがある
中小企業経営強化税制やグリーン投資減税などの制度を活用することで、大幅な節税が可能です。また、30万円未満の少額資産なら即時償却も検討できます。
こうした制度は毎年変わる可能性があるため、最新情報をチェックしましょう。
節税効果を最大化したい場合は、早めの準備と専門家との連携が重要です。
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