ビル用マルチエアコンとは? メリットやデメリット、導入がおすすめの施設などを解説
ビル運営に携わる皆様、ビル用マルチエアコンをご存知でしょうか?
このエアコンは、一つの屋外ユニットで複数の室内ユニットを制御することができ、省エネで経済的な運用が見込めます。しかし、導入する施設によってはデメリットも存在します。
この記事では、ビル用マルチエアコンとは何かとそのメリット・デメリット、そして導入がおすすめの施設について、詳しく解説します。
これを読めば、あなたのビル運営がよりスムーズになり、コスト削減にも繋がるかもしれませんよ。
Contents
ビル用マルチエアコンとは
ビル用マルチエアコンの特徴や種類について、解説していきます。
ビル用マルチエアコンの特徴
ビル用マルチエアコンは、たった一つの室外機で、さまざまな容量を持った複数の室内機をそれぞれ独立して操作することができます。
このエアコンは冷媒配管が長いため、設置場所の選択肢が広がり、自由に配置が可能です。その結果、各室で好きな温度や風量に調整することが可能となり、一部の高品質モデルでは、冷房と暖房を同時に調整することもできます。
また、室内機と室外機は異なる電源を利用し、膨張弁を室内機側に搭載しているため、出力の制御もより柔軟になっています。
ビル用マルチエアコンの種類
ビル用マルチエアコンの種類は、下記の6つです。
- リニューアルタイプ:既存の冷媒配管を使用してエアコンを交換するタイプ。効率的な空調の更新を行うことができます。
- 冷暖同時/切替タイプ:冷房や暖房を同時に動かすタイプ。日差しや機器の熱により部屋毎の温度が変わる場合に最適です。
- コンパクト型:クレーンの使用なしで室外機を設置できるタイプ。狭い場所やクレーンが使えない場所にも対応できます。
- 氷蓄熱タイプ:室内と室外の間に氷蓄熱槽を備えたタイプ。夜に氷を作り、昼間はその氷で冷房を効率的に行い、エネルギーの節約が期待されます。
- 高暖房タイプ:寒冷地でも強力な暖房機能を持つタイプ。厳しい冬でも快適に過ごせます。
- 水熱源タイプ:水の配管をベースとしたエアコンシステムを採用しているタイプ。水は年間を通じて気温よりも安定しているため、効率的かつ安定した冷暖房を提供し、運用コストの削減も期待できます。
ビル用マルチエアコンと他の業務用エアコンはどう違う?
ビル用マルチエアコンと他の業務用エアコンの違いについて解説していきます。
ビル用マルチエアコンと設備用エアコンの違い
ビル用マルチエアコンは、一つの室外機で複数の室内機を個別に操作することが特徴です。
一方、設備用エアコンは、主に工場やキッチン、ショッピングモールなどの大きな施設で使用されることが目立ちます。このエアコンは、分離型と一体型の二つのバージョンが存在しています。多くの場合、機械室に設置されたダクトを通じて空気を送る方式で、各部屋ごとの温度設定は不可能です。
これは、特定の稼働時間や環境に合わせて大量の空調を必要とする場所に特化しています。
ビル用マルチエアコンと店舗用エアコンの違い
店舗用エアコンは、特に店舗や小さなビルなどの場所でよく見られます。
このエアコンも、ビル用マルチエアコンと同じように、1つの室外機から複数の室内機へと接続される形となっています。しかし、店舗用では全室内機の同時運転のみが可能で、室内と室外のエアコン電源は連動しています。
また、冷媒配管の総長は50〜100m、室内と室外機の高さの差は最大で30mまでの対応となっており、これらの数値は設置場所や用途によって適切に選ばれる必要があります。
ビル用マルチエアコンのメリットとデメリット
ビル用マルチエアコンのメリットとデメリットについて解説していきます。
ビル用マルチエアコンのメリット:省エネ効果が高い
ビル用マルチエアコンの一番のメリットは、その高い省エネ性能です。
このエアコンは、効率的な運転を可能とするため、消費電力を大幅に削減することができます。長期的に見れば、電気代の節約も期待できるので、経済的にもエコロジー的にも優れた選択と言えます。
ビル用マルチエアコンのメリット:室内機の選択肢が多い
マルチエアコンの魅力の一つは、さまざまな種類の室内機から選べる自由度の高さです。
部屋の大きさや用途、内装に合わせて、最適な室内機を選ぶことができるので、設置場所にピッタリのエアコンを持ち込むことができます。
ビル用マルチエアコンのメリット:追加設置が簡単
ビル用マルチエアコンは、新たに室内機を増やすことも簡単です。
これは、ビルの利用状況が変わったときや新しい部屋が必要になったときに非常に便利です。手間をかけずに追加設置ができるので、柔軟にエアコンの設定を変更することが可能となるでしょう。
ビル用マルチエアコンのメリット:導入費用が安い
マルチエアコンを選ぶもう一つのメリットは、その導入コストの手頃さです。
1台の室外機で複数の室内機を動かすことができるため、全体の設置費用が低く抑えられます。さらに、電源は室外機から直接供給されるので、各室内機に独自のコンセント設置は不要。このため、コンセント設置工事のコストも削減できます。
ビル用マルチエアコンのメリット:設備設計の自由度が高い
マルチエアコンの設置では、設備設計における自由度が非常に高いです。
これにより、ビルの構造や必要な機能に合わせて、柔軟な空調システムの構築が可能になります。この自由度の高さは、ビルの利用状況や設計に合わせて最適なエアコンシステムを組む際に大変役立ちます。
ビル用マルチエアコンのデメリット:クレーン車での搬入になる可能性が高い
ビル用マルチエアコンの導入を検討する際、取り付け位置やビルの構造によっては、クレーン車を利用しての搬入が必要になることがあります。
これは、ビルの高さや設置場所のアクセス性によるもので、クレーン車の利用は追加のコストや時間を要する可能性があります。そのため、設置予定の場所や周辺環境をしっかりと確認し、事前の計画が重要となります。
ビル用マルチエアコンのデメリット:室外機の故障に弱い
ビル用マルチエアコンの大きなデメリットの一つは、室外機の故障による影響の大きさです。
1つの室外機で複数の室内機を制御しているため、室外機に問題が発生すると、すべての室内機の動作に支障をきたします。さらに、室外機の交換や修理をする場合、それに伴う室内機の変更や調整も必要となることがあり、その際の経済的な負担も軽視できません。
ビル用マルチエアコンのデメリット:電気代が上がる恐れがある
ビル用マルチエアコンは、一般的なペアエアコンと比べて、省エネ基準が低く設定されていることが多いです。また、マルチエアコンは200Vの電源を使用することが多く、これが電気代の増加を招く要因となり得ます。
電気代の増加が顕著になる可能性があるため、導入前にしっかりとコストを計算することが大切です。
ビル用マルチエアコンはビル以外にも!こんな施設におすすめ
ビル以外でも、ビル用マルチエアコンを導入するべき施設をご紹介します。
ホテル
ビル用マルチエアコンはホテルにも最適です。
ホテルは各部屋ごとの温度管理が求められるため、マルチエアコンの利点を活かすことができます。1つの室外機から複数の室内機を制御できるので、設置スペースの制約や建物の外観への影響を最小限に抑えられます。
また、各部屋での温度設定を個別に行うことが可能なため、ゲストの快適な宿泊環境を提供することができます。
病院や介護施設
病院や介護施設でも、ビル用マルチエアコンの利用は非常に効果的です。
病室や共有スペース、リハビリエリアなど、異なる用途のエリアを持つ施設内で、それぞれの部屋の温度や湿度を最適に管理することが求められます。マルチエアコンを導入することで、各エリアごとに適切な温度設定を行い、患者や入居者の快適さと健康をサポートすることができるのです。
工場
工場内では、作業環境の快適性や製品の品質管理のために適切な温度や湿度が必要です。ビル用マルチエアコンは、広範囲にわたる工場のエリアごとの温度管理を効率的に行うことができます。
特に、異なる工程が行われるエリアや、特定の条件を必要とする生産ラインでは、適切な空調管理が不可欠です。マルチエアコンを活用することで、工場全体の作業環境を一定に保ち、生産効率や品質の向上に貢献することができます。
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